HAL4550

バイロイト音楽祭





オペラファン、特にワグネリアンなら一度は訪れてみたいバイロイト祝祭劇場。たまたま夏季休暇の旅行先を探しているとバイロイト音楽祭のHPに辿り着いた。



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八月十三日トリスタンとイゾルテ、八月十五日さまよえるオランダ人、その前後はない。最初チケットをクリックするとオランダ人のチケットがあった、しかし750EURはべらぼうなチケットだが最前列の真ん中席、迷いながらフライトの手配、こちらは運良く取れた、ホテルは難しいと思っていたがバイロイトで二番目に良いホテルが取れた。あとはフランクフルトからバイロイトまでの交通、いろいろ考えたのだがTGVで三時間余り、遅い便でも午後九時ぐらいにはホテルに着く予定である。



幾日か過ぎてバイロイト祝祭劇場のHPでチケットを検索するとトリスタンとイゾルテのチケットが出ている、値段は1000EUR邦貨14万円のプラチナチケット、迷わずクリックした。程なくチケットオフィスからメールが届き、二三日後に連絡すると書いてある。一週間待っても連絡が無いので催促のメールをすると、今週中に連絡するから我慢して欲しいと書いてあるがカード会社から引落通知が来た。うむむむ、更に二週間待ち催促のメールをすると今度は返事すら返ってこない。カード会社に連絡して現地に督促して欲しい、キャンセルしたい訳では無いと伝えるとコンシェルジュ嬢がアクションをとってくれた。チケットオフィスに電話を入れて事情を聞いてくれた。説明によるとバイロイト祝祭劇場からチケットが届いていないので返事が出来ない、来たら直ぐに返事するということであると連絡戴いた。


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コンシェルジュデスクのあるカード会社は頼もしい、色々なトラブルを解決してくれる。前回のパリオペラ座のときは現地でコンシェルジュのことは考え付きもしなかったが、チケットオフィスに連絡すると直ぐに返金してくれた。最終的にどうなるか分らないが楽しみと不安でドキドキしている。チケットが無いのにバイロイトに行っても仕方ないのだが、さりとてザルツブルグあたりのモーッアルトには興味は無い。



冷房設備も無く硬い椅子に縛り付けられて四時間も身動ぎすらできない、こんなことは一回限りでよい。さて、タキシードとエナメル靴を新調するか迷うところだが先ずはドレスコードを聞いてみよう。




キャストと以下の通り素晴らしい。

2015年トリスタンとイゾルデ
演出:カタリナ・ワーグナー
指揮:クリスティアン・ティーレマン
イゾルデ:エヴァ=マリア・ヴェストブロック
トリスタン:スティーブン・グールド







# by hal4550 | 2015-07-06 01:00 | その他

英国の英知EMI

英国の英知(2015/3/13記)


ステレオサウンド194号を書店で見つけた、そう云えばその時期なのかと改めて月日の過ぎる速さに驚いた。以前はステレオサウンドが年四回発売される日が待ち遠しくて本屋に飛び込んだものだが、いまは全く気付かずに過ごして居る。



ステレオサウンドも読むところが無くて、さりとて34号から購読していて止める気にもなれず続いている。私の気を惹いたのがThe Beatles LP in monoの紹介記事である。直ぐにAmazonクリックしようとしたが、その前に他も検索したらAmazonが一番高かった。結局HMVをクリックしたのだが表記の価格と違う請求が来た、と云うのは余りにも音が良いので更に二箱注文しようと思って注文の途中で気が付いた。表記の価格は会員価格で一般は二割方高い、それでもAmazonより三割も安い。結局追加の二箱は止めてステレオ箱を買ってみることにした。いずれmonoBOXは追加しようと思っている。それほど良い音質なのだ。

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Beatlesについては我々世代はリアルタイムで体験してきたが、わたしはBeatlesよりJAZZとラテン音楽に夢中だった。Beatlesのレコードは赤盤と青盤の二組が有るだけだ、それも多分結婚してから買ったものと思う。CDは随分後からであるが発売されるたびにセットを買ったので4組ぐらいアルバムが揃っている。結局何回も買っているのは音質に満足できなかったからである。



最初ビートルズとの出会いは勿論テレビでありラジオである、1966年6月30日ビートルズは日本にやってきた、その様子をテレビで見たが私の周りは加山雄三の「君といつまでも」に夢中であった。高校三年のとき隣の女子高の文化祭に誘われて行った。会場で流れていた曲がレボリユーションだった。まだラジオでも聴いた事が無く初めて聴くビートルズの最新アルバムだった、調べてみると1968年8月28日発売でA面はあの名曲ヘィジュードである。ヘィジュードではなくレボリューションが繰り返し流れていたのが不思議だった。文化祭は十一月初旬の筈だから本当に最新アルバムである、A面ならすぐ分ったがB面のレボリューションに拘りが有ったのだろう印象が強くて鮮明に覚えている。



最近NHKでビートルズ来日のドキュメントを見た、懐かしい。当時高校一年の私には東京は遠すぎるしビートルズを見るなんて遥か遠い世界だった。しかしドキュメントを見ると当時同年齢だった女子高生が足を折っても良いからビートルズのステージに駆け上がりたいと興奮していた。このまえポール・マッカートニーが来日した時、当時の女子高生がオバサンになってテレビのインタビューに答えていた、団塊の世代は何をするにしてもパワフルだ、それは今も昔も変わらない。



自分でレコードが自由に買える年齢になってもBeatlesのレコードを手元に置きたいと云う思いが起きなかったのはその音質に不満が有ったからである。歌詞とメロディは申し分なく良いのだがレコードもラジオも音質が悪かった。だから自分で持ちたいとは思わなかった。唯一ビートルズの赤盤と青盤の二枚組み四枚を買っただけである。その後CDを買っても同じ思いは消えなかった。しかし、今回MONO LPを聴いてその思いは一変した。



デッカ・デコラは英国の英知EMIのスピーカを使っている。ビートルズのレコードはみんな知っているアップルレコード、あの青りんごのマークだが最初の頃はEMIで作られているのをレコードを見て初めて知った。だからビートルズのレコードをデッカ・デコラで聴くのは正しい。実際にアビーロードスタジオのモニターはEMIのスピーカでデッカデコラのユニットが箱に納められたものである。モニターはデッカ・デコラでも行われたことも有っただろうか。


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ビートルズ・マニアはリマスター盤のこのレコードに色々不満が有るらしい、それでも良い音質である事は誰もが認めるところだが、やはり英国オリジナル盤は音が違うと云う、その通りかも知れないが、デッカ・デコラで聴いたらそんな事は吹っ飛ぶ些細な事と思える、それほどこの組み合わせは良い、心うたれる良い音楽である。ノイズの無さは最初だけだろうから消耗品として考えるならあと二組はMONOが欲しいところである。久しぶりに音楽が聴きたいと思えた。ホワイトアルバムを聴いた、アップルマークのレコードである、やはり音が悪い、初期のEMIとは雲泥の差、どうしようもない音の悪さである。



ヤァ、ヤァ、ヤァ、とビートルズがやって来た(2015/3/15記)


ビートルズがやって来る、ヤァ、ヤァ、ヤァ、と言う曲があった。ビートルズ三作目で初の映画サントラ盤だった。EP盤の写真はこうもりの様な格好のコスチュームだったような気がする。A Hard day's Nightと云うアルバムの邦題がビートルズがやって来る、ヤァ、ヤァ、ヤァである。あとで調べたらこうもりと思ったのはHELPの写真だった。



ビートルズLPのステレオ盤通称くろ盤が先ほどHMVから届いた。仕事の手を中断してデコラの電源を入れて聴いた。Please Please Meを一枚聴いて箱に仕舞った。mono盤はあと二箱欲しいと思ったがステレオ盤はNo Thankyouである。

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昔聴いた通りの歪っぽい音で楽器がごちゃごちゃ混ざり歪んでいる。ひどいとまでは云わないが音が不自然に右左に分かれて真ん中が抜けている。これならまだ擬似ステレオの方がマシである。リマスターのmonoの出来が良過ぎるのだろう。オリジナル初期盤でもmonoの方が良いと書いてある。これならmono盤はもう一組欲しいと思うのだが一層のことオリジナルmono初期盤が欲しくなった。五月にパリとロンドンへ行く予定であるがレコード屋巡りに成りそうな予感がする。


mono盤で聴くビートルズは綺麗なハーモーニィで声が揃っている、歌も楽器も本当は上手かったんだとビートルズを再認識した。

















# by hal4550 | 2015-06-28 01:00 | デッカ・デコラ

SA-4




SA-4あれこれ



SA-4も最終段階になって来た。海外のカウンターポイントのQ&Aを読んでいると色んな発見がある。


中国語の記事でSA-4Platinumと云う記事が目に止まった。マイケルの改造品である特徴的なコンデンサーへの交換、こんなものまであるんだぁと驚いた。後日SA-4の回路図の手配を頼んだホームページで世界で唯一のSA-4Platinum upgradeを見た。記事を読むと新品のSA-4が買えるほどの費用がかかるそうだ。どんな音がするのだろうか、一回聴いて見たいと願う。中国語の写真を良く見ると同じ日付の写真をコピーしたもので本当に世界唯一かも知れない。

希少なSA-4 Platium upgrade
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セミ改造版SA-4(コンデンサーが赤いDynami-cap E)
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こちらが一般的なSA-4(黄色いコンデンサーWonder-cap)
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赤いコンデンサーDynami-cap E
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それから個別にバイアスを調整できるオプションもあると書いてあった(2007年2月の記事)。いろんなことをやってくれたマイケル・エリオット、もう少し早くこれに興味を持っていたなら素晴らしかったのにと思うのである。




SA-4三連ファンの配置替え(2015/6/20記)



暑さも本格的になってきて日中25℃を軽々と越える、それに追い討ちを掛けるのが湿気である。お陰で除湿機はフル稼働であるが中々追付かない。



SA-4の背面の温度が急激に上がり出した、室温が20℃近辺だと背面の温度は上がらないがやはり工夫が必要である。考えた結果背面に近い処から排気する必要がある。SA-4の機械加工をせずに行うにはファンのレイアウトを変更するしかない。試行錯誤の結果エル型配置が良いようである、背面の温度はさほど上昇しない。もしも背面開きのSA-4が手に入ればそれにファンを取り付け問題は解決するかも知れない。茨城辺りのSA-4が余っていないかなぁと密かに願うばかりである。


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SA-4熱暴走について(2015/4/22記)



出力管6LF6のプレート及びスクリーン・グリッドが赤熱化して過電流が流れ真空管が破壊されるか電源回路が破壊され、その前に保護回路でスピーカは遮断されるだろうが、ユーザはただ煙が出るのを見るしかない。本当に大変な事態である。一見アンプ内の温度が上がると熱暴走が始まるように思われるだろうが、実際には関係ない。熱暴走は出力管のグリッドに与えられるバイアス電圧にある。バイアス電圧はメータを時計回しに最右にセットすると読める、この電圧は八本共通に成っている。そして時計逆周りにV1-V8に流れる電流が各々読める。



Marantz9やMcintosh MC3500でもプレート電流はカソード電圧を測定し変換している、SA-4も同じである。バイアスが規定値より浅くなると過電流が流れプレートが部分的に赤熱して更に過電流が増えてプレート全体が赤熱して間も無くダウンする。赤熱化し易い真空管があり、EL34やKT88はその代表であるが6550は比較的強いと経験的に思う。6LF6については経験は無いが障害が多いことを鑑みると熱暴走が起こりやすい真空管なんだろうと思う。MarantzやMcintoshはパラレルプッシュでも個々にバイアス電圧が調整できる仕様になっているがSA-4は共通で個々の電圧は調整できない、その代わり6LF6を選別して125-150mAになる真空管を使うように指示されている。個々に調整するより精神衛生上良いかも知れない。



さて、SA-4の熱暴走対策であるがグリッドバイアスの管理にある。正規のSA-4回路図は米国に注文したがマイケルは閉鎖したので何時届くか分らない。ネットのメモを見るとプレート電圧は±140Vでグリッドバイアスは-46Vとなっている。先に書いたように個々の電圧は調整できないので真空管の選別で近いものを合わせるしか方法は無い。


個々の電圧の調整法についてはネットに日本語で詳しく書かれているのでそれを参考にされると良いだろう。わたしは面識がないので勝手にリンクを貼る訳には行かないからYahoo検索で「SA-4調整マニュアル - Yahoo!ブログ」は簡単に見つかる。とても良くできたマニュアルである。リンク先は失念したが海外のQ&Aやフォーラムでも同様のことが書かれている。ポイントは6LF6のバイアス調整をするとき、前面のVRを時計回りにMAXにしてV1-V8の値を読み100-150mAの範囲か、可能なら110-130mAであればなお良い。多少揃わなくても良く肝心なことは使うときVRを反時計回りに最小値、わたしは100mAにしているがこれくらいであれば赤熱暴走を引き起こす事はなく音質劣化も無いように思う。



温度が高くなるから熱暴走を引き起こす訳ではない、バイアスが浅くなり入力信号の大きさで動作点を超えてグリッド電位が浅くなり過電流が流れ、赤熱したプレート部分から急激に過電流が流れる事になる。一旦赤熱化したプレートは元に戻ることは無く過電流が流れ易い組成になるので以後使用できない。熱でプレート赤熱化と過電流が引き起こされる訳ではないことをご理解戴けただろうか。6LF6のカソードやプレートは電子放出のために内部は数百度の熱環境で動作している訳で熱による損傷は無い。勿論熱対策をする理由は基盤が熱による変形損傷や真空管ソケットの損傷と最も熱影響を受けるコンデンサーの劣化を防ぐためである。グリッドのコンデンサー劣化でバイアスが浅くなり過電流の原因になるので熱対策はやはり必然だろう。


三連ファンと吸気口を開けたパネル
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SA-4三連ファン (2015/4/20記)



日曜日は日がな一日パラゴンを聴き続けた。結構なレベルまで追着いて来たように思う。パラゴンもSA-4も捨てた物ではない、長く付き合えるような気がする。


SA-4改造の追加を行った、二連ファンを三連ファンにバージョンアップした。これは最初から計画していたことで六個のファンを全部使うことになる。二連ファンでも冷却能力に問題はないが風量が強いために耳を澄ますと風切音がする、気になる訳ではなかったが上蓋のパネルには一台分の余スペースがあるので改造も含めてやることにした。改造は100Vのファンを直列につなぐと50Vで動くと考えるが実際は回転初速のタイミングやインピーダンスの問題で両方が同速度で回転することは有得ない、つまり回転速度が偏ってしまうことがある。これを防ぐためにファンに等電圧が掛るようにブリーダ抵抗を挟む、これにより回転は安定する。三連ファンにするために5KΩを三本つける、すると各ファンには33Vの電圧が供給され低速で安定した回転が得られる。

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電圧が下がったので風量は減り風切音は全くなくなった、しかし冷却能力に問題が出て来そうである。背面側が少し熱くなっている、実用上は問題ないのであるが熱暴走に気を付けているので少しでも不安要素は取り除きたい、風量設計を考え直す必要がある。そこでテストでファン排出口と出力管上部の吸入口を除いて全部塞いでみた。すると温度は見る見るうちに下がり全く熱を感じさせない温度になった。あとはアルミ板を貼り恰好よく見せるだけである。




後期SA-4の背面パネルの写真を見つけた、これが一番穴開きになっているものであるがこんなものでは熱対策とは云えない。やはり低速ファンを付ける必要があるだろう。

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昼間のんびり遊んでいた付けが夜に回ってきた。ソフトのバージョンアップをしないと月曜日に障害が出る可能性がある、いつかはやらなければならないと思っていたので今晩やることにした。簡単な作業の筈だったが旨く行かなかった、とうとう三時までかかって終了、丁度パラゴンルームで作業をしていたので引き続き五時までCDを聴いた。アンプは昼間が電源を入れていたので深夜の綺麗な電気で音楽も美しく聴こえる。菅野邦彦のピアノは良い、諸行無常とはこのような事かと気づかされる、だから今を留めて擱きたい気持ちになるのであろう、と菅野のピアノが教えてくれる。

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SA-4改造(2015/4/18記)



日本橋の行ったついでにSA-4の部品を買った。部品屋には私が思っているような冷却ファンは無かったので中国製を買わなければ仕方ないかとレジに持って行った。レジ前で突然閃いた、昔よく買っていたあそこなら有るかも知れないと思い、レジには取り置きを頼んで、昔よく行った塚口勇商店を訪ねた。



店先に中古部品が沢山並べてある、12cmのAC100Vファンを聞くと店先にあるという。新品のファンが六個あったので全部買った。店の奥で回転のテストをしてくれるというから100Vを二台直列に接続して半分の電圧で試すと問題なく回転し音も静かで風量も相当ある、これなら使えそうである。



昨日は朝からSA-4を開けて改造に取り掛かった。最初は背面パネルを作りかえるつもりで居たが天板パネルをそのまま使うテストをしたら効果は絶大であった。ファン二基でも静かで6LF6の上部でも殆ど熱くない、吸気口を工夫したら冷却の問題は全く無くなった。

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最初はJAZZを聴き、次いでドンカルロを四時間かかって聴いた、最後は女房の部屋で見つけた竹内まりやのCDを聴いた。ほぼ一日聴いていたことになる、竹内まりやは自分の好みではない、むしろ嫌いな部類である。大滝詠一や山下達郎のアンニュイさが堪らなく嫌である、我慢して聴いていると判った事が有る。歌詞が或る層のオンナにぴったり来る、歌詞を聴きながら分るような気がする。しかし、一方では夫婦だからと云って必ずしも全部解り合う必要は無いのだ、夫々が自立して生きて行くのだから全部解り合う必要は無いと云うことである。


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SA-4(2015/4/13記)



きのうSA-4が届いた。開梱して真空管をセット、出かける予定があったので続きは夜にしようと暫くお預けして出掛けた。


疲れて帰りアンプを触る気もせず風呂に入り寝てしまった。日曜日午前中なかなかアンプを触る気がしなかったので放置、散々トラブルの情報を見ている。素晴らしいアンプだが手放したと言う紹介で殆ど少々食傷気味、それがアンプを触るのを妨げているのだろう。



意を決して中古品を向かい入れる儀式をした。骨董品を使い始める前には必ずキッチンハイターを入れたお湯に一晩浸して消毒してから拭いて写真を撮ってから使う、口にするものを入れるから当然の事だが、アンプはハイターで消毒する訳に行かないので無水アルコールで全体を拭き、銅真ちゅうステンレスクリーナでパネル表面の酸化錆を落としツマミを磨いて薄化粧して(冗談)電源を入れる。



儀式を済ませパラゴンルームへ運ぶ、重量は一台26Kgと重たいが見た目が大きい分もっと重たく感じる。出力トランスが付いていれば軽く30Kgを超えるだろう。ネットで調べると輸入元ノアで以下の通り紹介されている。

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SA-4は一般的な管球式パワーアンプで用いられているアウトプットトランスを搭載していないOTL(アウトプットトランスレス)パワーアンプとなっています。SA-4はOTLアンプで正負2電源を供給するSEPP型、出力コンデンサーを省略し正負2電源を供給して中点をゼロ電位に保ち、出力管とスピーカーをダイレクトカップリングしたOCL構成を採用しており、アウトプットトランスだけでなく出力コンデンサも搭載していません。これによりアウトプットトランスによる捲線抵抗や漏洩インダクタンス捲線の浮遊容量などの悪影響を排除しています。



出力コンデンサに代ってスピーカーにDC成分が流れ込むのを防ぐため、SA-4独自のサーボアンプシステムを搭載しています。これは、ICが記憶した30mV~90mVの許容レベルを超えてDCが流れた場合に、このサーボアンプが動作して瞬時にSA-4とスピーカーを遮断するというものでスピーカーの破損を未然に防止しています。



16Hz以下をカットするコンデンサーをカップリングした補助系統も搭載しています。出力段は8本の6LF6で構成され、電源部には1kWを安定供給できる強力電源を搭載しています。



フロントパネルにはバイアス調整用の電流計及びメーターセレクター、半固定トリマーポテンションメーターを搭載しており、各出力管の電流バイアスやアイドル電流のチェックが行えます。


主な仕様は

出力      140W(8Ω) 280W(16Ω)
周波数帯域  0.1Hz~50KHz
歪率      0.1%以下(最大出力) 0.02%(20W)
真空管     ECC83x1 6FS5x2 6LF6x8
電源      AC100V 消費電力200W(アイドリング時)
寸法      480W170H480D 重量26Kg


接続するスピーカは初期パラゴンであるから間違っても150-4Cは絶対に飛ばせないので神経質になる。先ずスピーカを接続せずに電源を入れる、リレーがガチャガチャしてLEDが黄色から緑に変わり電流計の針がゆっくり上がり始める。150mA付近で止まるが時間とともに少しだけ変化する、V1~V8までの電流を見ると100mAから150mAでUper側とDown側の差異が50mA程度ある。一本一本の電流調整が出来ないのでUperとDown(SEPPだから上と下の表現)の6LF6を相互交換して電流値を概ね合わせる必要がある。これは面倒なので真空管試験機で測定して簡便に合わせる。



測定はメータ横のVRを右一杯に上げてバイアスを浅く電流値を最大にしてから内部のVR2トリーマで一本当り150mAに調整する、ピッタリに合わせることは不可能なので100mAから150mAの範囲に収めれば良い、ベストは120mAから130mAに収める事である。しかし、150mAで使い続ければ熱暴走を引き起こすので使用時にはバイアスを深くして100mAで使うのが最良である。150mAで使い続けるのはファン装着機に限られると謂う記事を見つけた。やはりそうかと合点が行った。ビーム管を150mAで使い続ければプレートが赤熱して熱暴走を引き起こすのは当たり前である。



SA-4の写真を色々調べてみると後期製品はバックパネルもスリットが開いている、最終製品はバックパネルの殆どに大きなスリットが切ってある、熱暴走を防ぐために空冷を意識したものだろう。トラブルが多いのでこのような改良を余儀なくされた結果であろう。ついでなら冷却ファンを付ければ良いものをと思った、その考えを裏付けるのが150mAで使用するのはファン装着時という記事である。近い内に冷却ファンを取り付けようと思っている。


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肝心の音であるが思ったよりも大したことは無かった、低域の量感が凄いと云う評判であったが、マッキントッシュの真空管アンプを使っているので比べると大したことはないと言わざろう得ない。しかし他のアンプよりは力がある、マイケルが出力トランスを嫌う理由も分る気がするがMC75やMC3500と比べるのは無理と言うものだ。ホーンスピーカよりコーン系やドーム系ではしっかりした音がするのだろうがドライバーでは少々物足りない印象である。しかし、三時間もすれば気に成らなくなった。安くて良いアンプであるからバックパネル穴開きがあと3セットあれば買うかも知れない。



ハワイでDardaさんにSA-4を買ったと云ったら、多分そうじゃないかと思ったと云われた、そうじゃないにしても買って欲しいと思ったらしく嬉しかった。ニューヨークでドンカルロを見て翌日ダラス空港からSA-4購入の連絡を取った。随分昔のことのように思い出すのであるが。そのDardaさんの夢はマイケル特別仕様のSA3000とSA-4と初期パラゴンを鳴らす事であると聞いた、リップサービスにしても嬉しい事である。まだ細かく詰めることがあるにしてもほぼ完成形であるから残りの仕事は音楽を楽しむだけである。






SA-4(2015/4/12記)



パラゴンがやって来て一年遅れでSA-4が届いた。

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カウンターポイントのアンプはトラブルが多いと聞くが自力で修理できるのも強味かも知れない、兎に角、初対面した。ネットでマニュアルを探し可能な限り対策を施そうと思っている。先ずは熱対策からだが、取敢えずフルオープンで鳴らしてみる。








# by hal4550 | 2015-06-26 01:00 | カウンターポイント

奇妙な果実

奇妙な果実(2015/2/10記)



待っていたCDがタワーレコードから送られてきた、今日に間に合って良かった。三枚のうちの一枚の封を切り、最後のStrange Fruitを聴いた。いまは何にもしたくない、じっとしていたい気持ちに歌がさせた。

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Strange Fruit

Southen trees bear strange fruit
Blood on the leaves and blood at the root

Black bodies swinging in the southern breeze
Strange fruit hanging from the poplar trees

Pastoral scene of the gallant south
The bulging eyes and the twisted mouth

Scent of magnolias sweet and fresh
Then the sudden smell of burning flesh

Here is a fruit for the crows to pluck
For the rain to gather for the wind to suck

For the sun to rot for the trees to drop
Here is a strange and bitter crop



簡単な詩だが、自分で訳してみた。

ストレンジフルーツ

南部の木には奇妙な実が結ぶ
葉や根は血に染まる

吊るされた黒い体が貿易風に揺れる
ポプラの木に吊るされた奇妙な果実

美しい南部の田園風景
ひんむいた大目玉に歪んだ口

モクレンの甘く新鮮な香り
陽に焼ける肉の匂いがする

この果実はカラスが突付き
雨に打たれ風に吹かれる

陽で腐り木から落ちてゆく
奇妙で悲惨な果実があるところ





ソールフルなホセ・ジェィムズの歌が終り暫く無音の時間が流れる、どれぐらい時間が過ぎたかも分らないが今は何にも聞きたくないそのままじっとしていたい。素晴らしい音楽表現である、詩を読んで何度も繰り返し聞いてみるとその場面がまざまざと浮かんでくるだろう。




改めてVerve時代にノーマン・グランツのプロデュースで録音されたビリーホリディのLP全集を引っ張り出して聴いてみた、Strange Fruitは1937年の録音で作詞家ルイス・アレが作った曲だがビリーは1959年までの活躍で比較的初期に録音されたものだ。いままでどうしてこんなに素晴らしいLPを放置していたのだろうかと恥ずかしくなった。有名であるが苦手だったシャンソンのエディット・ピアフもそうであったが、それを聴ける年齢と言うものが有るのかも知れない、丁度良い時期にビリーもピアフも出会ったような気がする。


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ホセ・ジェィムズのYesterday I had the Bluseを通して聴いてみた、ブルースなのかソウルなのか分らないが中々良い、ホセ・ジェィムズは素晴らしい。ライナーにはホセ・ジェィムズのビリーへのオマージュが素晴らしい文章で書かれている。


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# by hal4550 | 2015-06-24 01:00 | JAZZ

エベレストの標高

エベレストの標高(2014/9/12記)


エベレストの標高は8,848m世界最高峰である。拙宅のエベレストは112.5cmJBL最高峰である。


その標高を僅かではあるが8cm高くしてみると驚くべきことが起こった。まぁ、オーディオマニアと云うものは針小棒大に表現することは良く或ることだがお付き合い願いたい。ことの起こりはデコラの台を作って気を良くしたことと、折角ピアノ運送の力持ちが居る間にエベレストを動かすことを思いついたからである。取り急ぎキャスター台を作り内振り角度や位置を細かく調整したいと思ったからである。


いま手に入る最も硬い木材はタモの修正材であるが、一番厚いもので3cm反りを防ぐために木目を反対にして二枚を貼り合せて6cmの台を作りキャスター部分をくり貫きキャスターを填め込み標高8cmアップの台を作った。何しろ堅い木なので加工にてこずり運送屋がデコラの設置を完了する寸前に台は出来上がった。運送屋に作業費を払い乗せ替えて貰った。


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やっつけ仕事はどうもイケない、木口が気になって仕方ない
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数日が経ち見た目が気になり塗装も含めて仕上げをすることにした。例のジャッキを使いエベレストを持ち上げて、仮の敷板に載せて作業を始めた、作業は結局一日がかりであったが乗せ替えは翌日になった。大変だったが兎に角終わった。成果はその苦労に余りあるものであった。低域の豊かさ、音の張り、解像度どれをとっても驚くほどの変化である、それに見栄えが良いのは申し分ないことである。

この治具はとても有用である、模様替えや移動もヘッチャラになった
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360度回転のキャスターを埋め込み、合せ板で剛性対策も万全
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丸鋸と定規の組み合わせで何でも作り出すハル工房
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木口を綺麗に見せるために袴を付け足す
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塗装は屋外のデッキで行う
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西宮のパラゴンハウス北野さんがパラゴンのジャッキアップ効果を興奮して云っていた事を思い出した。拙宅のパラゴンは最初からタモ台で8.5cmほどかさ上げしてあるから無い場合との比較は出来ないので、そんなものかと思っていた。もしも、音に不満があるときは線材や機器の交換より先にミリ単位のジャッキアップ調整をお勧めしたい。


狭い場所でもこの通り、楽々と換装できる
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見た目にも良くなった
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前からそうであったように上手に溶け込んでしまったエベレスト台
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わずか8センチの標高アップ、そこには男の夢とロマンが詰まっている。ついこの前までは4550一筋だったのに、いまでは3ルーム5システムのハーレム。綺麗に着飾ったスピーカ達をはべらかせ、今宵は君の番と、ちょいと浮気男の気分が味わえる。やはり見た目が大事だ、道楽というものは。



一連のブログの本当の目的は綺麗に台が完成したという自慢話ではない。それも無くはないが一番大切なことは私と同じような環境のオーディオマニアは沢山居るだろう。オーディオは大きい重たい等ひとりでは手に負えないことが多い。勢い他人様のお世話になることが必要だが、なるべくなら他人様を煩わせたくないのがマニアの本音だ、そのときこの工事現場用ジャッキは役立つ。四十年間悩んできたことが本当に独りになって知恵を絞りついに思いついた、それが皆さんの役に立てばと思い自慢してみた。










# by hal4550 | 2015-06-22 01:00 | JBL

マッカラン




初めての酒の話題、昨日ワインを買うためにデパートへ行った。目当てのベルターニ・アマローネは在庫切れで六本オーダした。手ぶらで帰るのもしゃくだからポイヤックのRESERVE DE LA COMTESSE2006を六本買った。ポイヤックと云えばラ・トゥールであるがこの伯爵夫人も素晴らしかった。帰り際に棚で見つけたMACLLAN15は迷わずゲット。

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今日は庭木に梅雨前の施肥を行った、汗びっしょりになり午前中に終わった。黄昏ながらマッカランを開けた。Bowmoreを呑むまではMacllanが一番と思っていたが自宅で飲むまでは至らなかった。WOWOWドラマSUITでハービーが飲むのがMacllan25憧れのマッカランである。外では馬鹿の一つ覚えでマッカランの水割りを頼んでいたのだがパリでBowmore15をシヨットグラスで呑んでからは少し変わった。改めて呑み比べてみた。BOWMORE15+MACLLAN15+カスク25+ブルーラベル、酒は呑み比べるものではない、がしかしオーディオマニアの性だろう、比較の対象があれば比べたくなる。

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マッカランを呑んでもブルーラベルを呑んでもBOWMOREが一番の好みと思っていたが同時に比べてみると、夫々が個性があっても似通っていた。しかし、BOWMORE15の個性は際立っている、やはり、自分にはこれが一番合っていると思う。このBOWMORE15も水割りやソーダ割りするとただのスコッチになってしまうからお笑いである。室温よりほんの少し温かめの水を少量足すかショットグラスで呑まないとそのティストは失ってしまう。スコッチ・ビギナーのわたしが云うのはおこがましいが呑み方で評価が変わってしまう。ツマミは要らないかツマ缶を開ける、その程度である。だからわたしは本物の酒飲みではなかろう。食事時以外では酒を呑む習慣を持たないわたしはレコードを聴きながら本を読みながら酒を呑みたいとは思えない、ただショットグラスで1-2杯をぐっと呑むだけである。



ニッカカスク25年モルト 59%

マッカラン15年 43%

ボウモア15年 43%

ブルーラベル 40%


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# by hal4550 | 2015-06-20 01:00 | その他

デッカ・デコラと住む




エメラルド・グリーン(2014/8/27記)

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デコラが配達された。外装は申し分ないエメラルド・グリーンで艶消しの木目模様、少し蜜蝋で磨いたほうが良さそうである。


ざっと見てまずいところが二三有るので気長に直して行こうと思う。あつらえた欅のデコラ台がぴったり似合っている。音は英国デコラの方が僅かだが良いようである。外観から受ける印象は丸で違うが間違いなくオリジナルのデッカ・デコラである。両方ともガラード301仕様の後期デコラである。


二台で補完すれば完璧なデッカ・デコラになるのだが、完璧なものを残してあとは飾り棚にしようか、さてどうしたものか。今日から九月、September songでも聴こう。



デッカ・デコラのある風景(2014/8/30記)


一年ほど前に英国から輸入されたまま、手が入っていないデッカ・デコラを倉庫まで取りに行った。アンプはバラバラでプレイヤーはガラード301の上等が取り付けられていた。先ずは電圧を240Vから100Vに変更してプリアンプを修理してガラードのキャプスタンを60HZに変更して等など手を入れた。置く場所がなく本棚の前で飾り棚としての役目しか果たして居なかったのは言い過ぎだが、たまに食事のときCDやFMを聴く為の装置と割り切っていた。今度修理が必要なデッカ・デコラがもう一台家に来る事になったが設置場所がない。このデコラは或るオーディオマニアの遺品で長らく放置されていたと聞いた。各所に手を入れる必要があるだろう、写真を見ただけなのだが木目と緑のグリルネットがとても美しい。予備パーツや真空管が無いと迂闊に手を出せない代物だけに予備機か部品取りにと気軽に応じたのだが果してどうなるやら。


迎い入れる為にデコラ台二代目を作った。本棚から移動するにしても250KGの巨体を扱うには仕掛けを必要とするし、狭い扉を通過するためにキャスター付きのデコラ台はぎりぎりまで細くしなければならないので最初のものも造り換えることにした。台からデコラを乗せ替える必要がある。先ずは冶具の作成から始めるが、ジャッキ代わりに工事現場の仮設に使われるベースを利用した。デコラ台を跨ぐ幅の板をブリッジにして、そして仮設の台車を作り乗せ替えるのである。これは予定通り旨く行った。ひとりで何でもやらなくてはならないから知恵を働かすしかない。デコラ台の縮小改造と新しいデコラ台の塗装を削り落とす作業、この作業がとても大変だった。

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塗装であるがオイルスティンは説明書を良く読むと、塗って五分後には布で拭取り満遍なく刷り込むのが基本と云うことらしい。前回は拭取らなかったから色むらが出てしまった、原因は下地の処理に起因するのだが拭取りで塗料を刷り込めば良いらしい。オイルスティンを塗って拭取り乾かして、また塗り拭取る作業を四回ほど三日間繰り返した。そして、透明のニスをスプレイして硬い皮膜を作る作業を3回繰り返して完成、思ったことに近い線で出来上がった。これは新しいデコラの色に合わせて明るめの欅色に仕上げた。古い方は渋いオーク色であるがこちらはオイルスティンではなく着色ニスで塗装した、着色ニスは塗るのが難しく思い付きで刷毛目を生かした模様にした、狙い通りに仕上がった。仮設の台車からデコラ台に移し、オーディオルームに運び入れた。サイズはぴったりで扉もレコード棚の隙間もクリアして運び入れることに成功した。

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音出しをして見ると本棚の場所とは随分違い、やはりオーディオルームの方が好いようである。ピントが甘いので裏蓋を螺子止めしたらシャープにフォーカスした。更にカートリッヂをⅡからⅢやⅠに取替え、針圧を4.5gに調整するとしっかりとした楽器に変身した。それまでLPは古臭い音でFMやCDの方が聴き易かったが今はLPが最高に良い、フルニエのバッハの無伴奏チェロソナタは素晴らしい。180gの最新リマスタリングであるが無伴奏の素晴らしさが心を鷲掴みにして放さない。何故今まで本気で聴こうとしなかったのか不思議だ。このデッカ・デコラを女房は随分気に入って彼女が好きなポップスやジャズを聴くために扱い易いこの装置をプレゼントした。そして今は女房の写真楯の台に成っていたがいよいよ本領を発揮するときが来た。

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新しいデコラのために有孔ボードで裏蓋を作った、勿論シナベニアである。デッカ・デコラはとても扱い易く聴きたい時に電源を入れて直に聴ける。HAL4550やDD66000、パラゴンのように聴くために予め準備したり、まじないは不要である、簡単に素敵な音楽が聴けるところが素晴らしい。仕事をしながらでも気軽に聴ける電蓄のようなものである、これ一台あればよいのだから呪術的にケーブルを変えたり云々しなくて良いところは本当に素晴らしい、音楽を聴くために本当にあんな仰々しい装置が必要なのか原点回帰も良いかも知れない。仰々しい装置も楽しいのだけれども音楽を聴くだけであれば無用の長物であることを知ってしまった。

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EMI DLS529のこと


BEATLESで一躍有名になったアビーロードスタジオ、此処で使われているモニタースピーカがDLS509である。楕円ウーファ92390とツィータ99110Bが二個使われている。そのスピーカを買った、しかし一回も聴かず分解した。デッカ・デコラの部品を取るためだ。DLS509初期型アルニコモデルは結構高い値段で取引されているが、わたしにとってそんなことは如何でも良い話しであった。

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ウーファの92390はデッカ・デコラと全く同じものである、ツィータについては同じ型番であるが若干の違いがある、DLS509の99110Bは密閉型つまり後面のフレームが密閉であるがデッカ・デコラの99110Bはフレームに小さな穴が開けてある。何はともあれ補修部品四個が入手出来た。音質の変化は試聴では分らない、そんなもんだろう。最初に買ったデッカ・デコラのウーファは右が92390アルニコ左が92390フェライトであった。交換の痕跡が無かったので工場出荷時からそのように組み上がっていたのだろう、これを交換した。オリジナルパーツであれば英国人でさえも気にしないのだろう。かくして目出度く二組のデッカ・デコラはオリジナルに組み上がった。精神的な満足だけだが日本人にとっては大切な事だろう、かく云うわたしも舶来オリジナル・コンプレックスだろう。

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こちらが92390楕円ウーファ・フェライトマグネット
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交換した99110Bツィータ
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もう少しましな場所を探してやりたいが、この場所から離れたがらないので困っている
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今はこの二台を交代交代でFM、LP、CDでクラシックとジャズを楽しんでいる。特にDECCAレコードの再生はこれ以外は考えられない思っている、ジャズも旨くなるが電気を入れてぽんと鳴るのが嬉しい。











# by hal4550 | 2015-06-18 01:00 | デッカ・デコラ

コリブリ

Colibriと云う恐ろしいカートリッヂ(2014/8/09記)


Colibri(コリブリ)とはハチドリのことだ。
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仕事の合間を盗んでオーディオ店のホームページを眺めていた。特に欲しいものが有る訳でもない。


カートリッヂはないか、EMTもオルトフォンも沢山あるので必要はないが珍しいものや新しいものを探していた。LyraのTitanは有るかなと思ってページを見ていると、何とVDHのカートリッヂが出ている。既にTSD15仕様のVDHサファイヤカンチレバーは拙宅の必需品になっているので同じものがあれば高くても買いたいと思っていた。


見つけたのはVanDenHallのBlackBeautyという定価56万円もするものが168,000円で特価処分、難ありと書いてある、カンチレバーが左へ少し寄っている、それに錆と汚れである。興味があったので店に電話してVDHのBlackBeautyを聴いてみたいので夕方行くと予約をした。ついでに最高機種のColibriは有るかと聞くと両方とも視聴可能と言うので仕事を早めに切り上げて店に行った。何ヶ月ぶりだろう、こういう高揚感は久し振りで好いものだ。



これがVDH Black Beauty、云うとおり綺麗ではない。
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新品に近いColibri。
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先ずはColibriを聴かせてもらった。発売当初の定価は62万円、わたしが前に買ったBrinkmanは50万円だったが直に飽きてしまった。最初に聴いた印象はこれが62万円もするカートリッヂとは思えないほど大したことは無かった。BlackBeautyに至っては2-3万円のカートリッヂの方がよほどマシな音であった。試聴した環境が悪過ぎた、一応JBL4311と山水のAU999であるがこれでは高価カートリッヂを買う気になれないからもっとマシな装置で聴かせて欲しいと頼むと4341でどうだろうというのだが、目の前に馴染の深い中期パラゴンがあるのでアキュフェイズのプリとMC2500をつないで貰った。それほど良い音ではないが、何かが違うことはハッキリ分かった。BlackBeautyも良くなったが価格ほどではない、LyraもTitanではないが比較させてもらうと圧倒的にColibriが良い、何かが違う、麻薬的な美音かも知れないが取り敢えず一緒に連れて帰ることにした、定価が82万円にもなっていた、売価は40万円から26万円に、更に20万円になっていた、誰も手を出そうとしないからどんどん売価を下げて行ったようだ。某レコードコレクターが亡くなり娘さんが売りに出したと言うことだった。初期盤のレコードが山ほどあり、これはライバル店に先を越されたらしく悔しがっていた。カートリッヂのコンディションから想像するとBlackBeautyを先に買って常用し上位機種が欲しくなり、買ったが直に亡くなったのだろう、音質の差から考えてもColibriを常用にするだろうと思うのだがColibriは新品のように綺麗でスタイラスの磨耗も見られない、ラッキーなVDHだ。


EMTに付けてあるVivのロングアームにVivのシェルを使って取り付けた、第一音でビックリ驚いてしまった。物凄く高い分解の解像度と音の出方が今まで聴いたカートリッヂと全く違う、本当に良いものだ。レコードのイメージが完全にひっくり返るほど凄い、CDともテープとも違う、全く違うメディアのようである。特にクラシックの初期盤には今まで聴いたことの無いような音が一杯詰め込まれている、そう云う発見である。なかなかレコード盤を下ろせない、次から次へとレコードをかけた。

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# by hal4550 | 2015-06-16 01:00 | レコード

パラゴン暫く

雨の日曜日(2014/11/09記)


物を作ったり、修理しているときは無心になれるから楽しい。しかし、長時間音楽を聴くことは苦しい、色々思い出してしまうからだ。それ故に物を作ることに気が行ってしまうのは仕方ないことだ。

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明け方からの雨音で目が覚めた、六時というのにまだ薄暗い、一日休息日になった。さて、何をしようか。


やりたいことの、その四、衣替え、いやパラゴンのDACをゴールドムンドに交換して、075の比較テストをして.......やりたいことは沢山あり過ぎて順番を決めるのが大変だ。


ゴールドムンドのDAC mimesis 20Aを移動することにした。オーディオルームの外から配線を外して、部屋に戻ってプレイヤーラックを移動してと大変な作業であるから中々決心がつかなかった。DACを外すだけでなくゴールドムンドのCDプレイヤーEidos Referenceの電源ケーブルもPADに交換した、そしてプリアンプMimesis 20Hは既にPADにしているので揃った。プレイヤーラックを移動したついでにEMT927のターンテーブルを外してアイドラを掃除した。そして、フォノアンプの移動とFMチューナ、セクエラもラックを移動した。先ずはオーディオルームの音出し、CD、レコード、FMの順に音出しと云ってもレコードは二枚聴いたし、CDも一枚丸まる聴いた、FMについては番組を一時間も聴いたので三時前になってしまった。


パラゴンルームはCDとDACを先に移動して電源を入れて置いたので十分にアイドリングは済んでいる筈だ。聴きなれたSOPHIE MILMANのin the moonlight、かなり良い音に聴こえる。親の贔屓目かも知れないが、やはりCDplayerとDACは同じメーカの同じレベルのものが良い。そして、Ann Sallyのmoon dance、昔から良く聴いているCDであるがパラゴンが違和感無くウエルバランスで鳴ってくれる。このようなパラゴンは今まで聴いた事がない気がする、CDを移動して良かった。


最後にパラゴンのツイータの比較テストをした16オームの075がもう一組ありに交換した。ハイ上がりで魅力的な音である。音楽としてのバランスは最初から付いている16オーム金巻き075の方がスムーズで心地よいし塩胡椒を隠し味程度にしか出していないツイータであるが音に随分影響を与えている。


そう、こうしている内に一日が暮れてしまった。わたしの人生もこうして終わって行くのだろうな、それはそれで幸せなことだろう。

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入口が変わると音も変わる、CD装置は当然のことであるがSA5000からSA3000の交換はそれ以上の効果があった。JAZZは勿論であるがクラシックもポピュラーも十分楽しめる。しかし以前ほど熱心には出来ない、時間は有り余るほどあるのに、さりとて他にやりたいことがある訳でもなし。それでもソースはLPもCDも確実に増えて行く。










# by hal4550 | 2015-06-14 01:10 | JBL

パラゴンがやってきた

パラゴンがやって来た(2014/07/15記)



女房が大好きだったジャズ喫茶が2014年5月末閉店した。そして内輪のお別れパーティのときJDソーダ割と深紅の薔薇をマダムが供えてくれた。そのとき聴いたレコードは何時までも忘れないだろう。Eric Dolphy in Villagevangard 、Charles mingusとEric DolphyのCANDID。不覚にも女房が亡くなったことを刹那忘れさせてくれた。

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喪失感で欠けたパズルを埋めてくれるのは音楽しかない、微かな光が見えた瞬間でした。音楽って素晴らしいものですね。しかし、自分の装置に電源が入るのはまだまだ時間がかかりそうだと思った。そして女房が愛したパラゴンを拙宅に迎えることにした。




先ずはパラゴンを置く為の雛壇を用意する、これは床との共振防止と位置微調整のための台車仕様。最も重たくて硬い25mmのタモ材を加工して作った。作ったは良いが重た過ぎて一人では手に負えない。息子の手伝いをもらった。それでも天板と袴部分は螺子止めしていない、止めたら搬入が出来ないだろうと思う。

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ついでにCDラックを新調した、オーディオルームのCDが限界になっており、整理されず積読CDになってしまって久しい、ついでというか緊急課題だった。丁度良い機会だったので合わせて作った。設計から設置まで一週間かかった。さあ、これからが大変だ。

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そしてパラゴンの設置場所であるがパソコンルームを整理して幅264cm奥行63cmのスペースを作る。しかし、これが大変な作業であった。長年の資料や部品予備機が部屋一杯にあり、どうして片付けようか、資料を細かく破いてゴミ袋10杯を越した。大きな予備機は客先に運んだり、とにかく大変な作業だがいつかはやらなければならない、良い機会だろう。一週間過ぎてもまだ終わらない。なんとか様になった。台風で予定が三日間延びたがそれでもパラゴン台が搬入できたのはトラック到着の30分前、そして天板にキャスターを取り付けるのに運送屋さんに休憩を取って貰い30分ほど時間を稼ぎ、ようやくパラゴン台を設置出来た。

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屈強な男達が三人がかりで狭い廊下をバンドで肩に掛けて運び入れて貰った。さすがプロだ、傷ひとつ付けずにパラゴン台の上に設置してくれた。祝儀をはずまなければなるまい。


治具を使ってレベルを合わせて調整し勘合金具を使ってセンターで結合させる、ぴったりだ。天板とはかまを止めるのを忘れた、と言うよりも時間が無かったので、それも善しとしたのであるが位置調整のとき天板とはかまが10センチ横にずれてしまったが、とりあえずは問題なしとする。

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前の日から調整してあったマッキンのMC75とクオードのCDを運び入れた、電源を入れておいたが焦げる臭いがした、マッキンの一台が電源が切れていた、多分KT88の過電流でプレートが焼けて電源が切れたものだろう、いまは元気が無いので放置、一台で左右をつなぎぴったりセンターから音が出た。調整はゆっくりやろう。

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数日して故障したマッキンの修理、案の定、整流回路のダイオードが過電流で焼け焦げていた。倍電圧回路のため変則では有るがブリッヂ整流器を並列接続で交換した。出力管を秘蔵のゴールドライオンに交換して、電圧も正常値で問題なく修理できたようだ。


第一声はジエットストリーム、良い音であるが感激が無い。次にジャズピアノ、鋭い音で良いのだが、喫茶店とはかなり違う、端正すぎる。ボーカルは全く感情が伝わってこない、ならばクラシックとバーンスタインのVOL2を掛けた。随分と良い、曖昧でバランスが良く刺激的な音がしない。モーッアルトのデベルティメント19番もかけた。素晴らしい音楽がする。いままでこんなパラゴンを想像したであろうか、実にコンフォータブルな音楽だ。刺激的な音は無く、バランスとバヨリンの倍音が重なり艶のある音楽を奏でる、パラゴンって素晴らしい。でも何か物足りない、仕方ない、SA3000とGOLDMUNDのCD/DACを運んで来よう。










# by hal4550 | 2015-06-14 01:00 | JAZZ