HAL4550

秘密基地




子供の頃、僕等の間では秘密基地がはやった。小学校三年生から六年生になるまで、最初は家の軒下であったり、裏山の近場であった。年齢が上がるにつれ段々家から距離が離れて行った。秘密基地は段ボールで囲った簡単なものから最後は木の上に作るツリーハウスになった。マーク・トウェインのトムソーヤの冒険やハックルベリー、そして十五少年漂流記が秘密基地マニュアルになった。秘密基地だからその存在を教えてはいけない、十五少年漂流記に従い秘密誓約書を作り誓いを立て合言葉も決めた。



最後の頃は秘密基地にラジオを持ち込んだ、と云っても電気が来ていないので本当のラジオてはなく、村中に配線してある有線放送の柱から鉄線をつなぎ空き缶に針金のコイルをつくり耳に当てると音が鳴る。有線放送は50Vの送り出しトランスが付けてある、もちろん素手で触るとビリビリ来るし、それを直に耳に当てようものなら感電するのでナイロン袋をかぶせてナイロンを振動板と絶縁膜の代用にする。放送はNHKだけだが時折聞き覚えのある村の有線放送が流れる。秘密基地ごっこは中学に入るとピタリと止めた。あれは子供の遊びと自分に言い聞かせて基地を弟等に譲ると全く興味を失ってしまった。しかし、思い出してもワクワクする秘密基地ごっこであった。





懐かしい秘密基地に行った、子供の頃作ったような秘密基地であった。ワザと迷路にしたり覆い隠し見えなくするのも秘密基地の鉄則であるが、ここデビルJyajyao秘密基地はその要素がふんだんに取り入れてある。センサーで色んな仕掛けがしてあり、忍者屋敷そのものである、手裏剣が刺さっていても違和感はないだろう。その秘密基地の秘密を明かしてはいけない、なにしろ秘密基地だからと思いながら、ここを訪れた者達の全てが感じたとおりのことを私も感じた。許される範囲で秘密を書こうと思うが、些か前振りが長過ぎていつその秘密を書くのだと怒られそうである、実際はどのように表現しようかと書きあぐねていた。


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秘密基地で秘密のことを聞いてはいけないが時間を掛けて何気ない質問の振りをしてその核心へ迫った。先ずユニットの数は256個と合言葉も無しに簡単に自白した。チャンネル数は二十数チャンネルもぐもぐゴチャゴチャと誤魔化された、ここは多分秘密なのだろ、謎めいたところが良い。デジタル音源がメインであるという、全てをリッピングしてマックから制御する徹底した音源管理である。秘密基地にはCDの類が見当たらないのも秘密基地らしくて良い、リッピングしてオリジナルを売り払うようなことはしないところが意匠家らしい。秘密基地の何処かに隠されていると云う、だからこれと思うものをeBayで買ってリッピングして初めて同じものを買ったと気付くそうである。笑えない話であるが何処も同じである。




秘密基地のひみつの一つ、音像がぽっかりと空中で合成される、何と無く脳内合成に近い感覚であるがリアルなホログラム像の合成である。むかし何処かのブログで360度動くマドンナのCDが紹介されていた。すぐに買って試してみたが拙宅ではそんなことは全く起きなかった。しかし、いま思い出してみたらマドンナのあのCDをここで再生したらマドンナがホログラムで楽しめるのではないかと一瞬思ったが云い忘れてしまった。惜しいことをした、こんど秘密基地にご招待戴けるのなら是非持参したい音源の一つである。さて、そのホログラムであるが、全てがそのようなことになる訳ではない、ソースによっては中央から拡散したり収縮したり、左右のステレオ感ではない新しい概念の立体音像(ホロソニック)である。



ウエーブのリスニングチェアの場所をスイートスポットとして指定されたが、わたしには絶対的違和感がある。その場所では秘密基地の魅力のあるホログラム効果が望めないからである。だからわたしは耳の後ろには壁を作りたくない、ふと船首に飾られる舳先(BOW)に身を乗り出し波しぶきを直接浴びたい気がした。すると微妙な首の変化にホログラム音像(ホロソニック)がシャープに結像したり、アウトフォーカスになったり、正直に告白するとこのことは最初から分かっていた訳ではない。この愛の告白(映画タイタニックのデカプリオとケイト・ウインレストが愛の告白で船首に身を乗り出し腕を広げて波しぶきと風に髪をなびかせるシーン)を六十半端の男が周りに気付かれずにやってみた、その時私は舳先(へさき)のジャックとローズになった。


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舳先に乗り出すと微妙な感覚が蘇えってくる、フォーカス・シュリンク、ズームイン・アウト大雑把に書くと自由自在である、暫くは気付かれずに独りで楽しんでいたが、この秘密基地の最大の魅力はここにあるのではないかと思い始めた。256個のスピーカを手懐けることは尋常ではない、凄いと思っても決して自分ではやりたくない行為である。冷静に考えてみれば何故マルチ・チャンネルをやるかという動機に隠された本質のヒントが有るだろう、この核心を無遠慮に尋ねた。シンプルな答えで予想を裏切るものであった。気に入ったスピーカを最もピューアな部分だけ使いたい、振幅振動を最小に抑えたい、ピューアな音源を求める男の含蓄の籠った一言である。私はそこで全てを悟った、だからフイルムの巻き戻しでこのブログを書いている。多分いままでも同じ質問をしたひとは沢山居ただろう、このシンプルなピューアなサウンド以外を排除する引き算理論を正しく理解できた人は少ないだろう。ピューアな音のためには高調波を全て排除してしまう、我々オーディオ・ファイルが出汁のうまみ成分として大切にしている第三次五次高調波オーバトーンを綺麗に取り去ると云う一見愚行の結果で256個のスピーカが必要になったことを、さりげなくさらりと云われる姿に畏敬の念を抱かずにいられない。



秘密基地では左右ステレオによる再生なんぞは考えていない、望むべくは音源256chにしたいのであろう、それは分るし出来れば素晴らしいだろうなぁと思う、秘密基地の進化が楽しみである。最後にリッピングなしでアナログ音源をDS青でかけてもらった、余りにも手放しで褒め称えるのもしゃくに触るから詳しくは書かないが手元に置きたいと思っただけと書いて置こう。悪いところにも少し触れさせて戴くと、リッピング・ノイズか歪みかは分らないが普通以上に強調される部分がソースに因っては再生される。通常であれば高調波成分でマスキングされる歪みがピューアな音となって再生されるときの弊害である、これを理解した上でこの歪みとも付き合わなければならないだろう。そうすれば脳内フィルターで消し去ることも可能かも知れない馴れれば簡単である。それからルームアコースティック・リバーブは必要悪である、魅力はあるが香辛料の類はピューアを目指して256chであれば尚更逆行する高調波成分であろう、胡椒はさじ加減が難しい、料理人でない客に許される僅かな憐みの行為であることを忘れてはいけない。詳しく書かないが、ユニットの配置やユニットの距離については、将来Jyajyaoさんが特許を出願されるかも知れないので、その理論の詳細は書かずに置こうと思う、もう少し推考は必要であるが正しい理論であることをわたしは理解した。


秘密基地からバルカン砲でレーザビーム攻撃されるポールマッカートニー、Oh my god、何てこった。

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最後、銀座の秘密基地三ツ石に流れ込んだ、オーナの指定で七時半を一分でも違えてはいけない、と云う秘密基地の合言葉の意味は出された料理で納得させられた。料理も奥が深いものである、創作料理にもチャレンジされているオーナと板前さん、いつまでも秘密基地で居て欲しい反面、大勢の人に知らしめたいジレンマとの戦いかも知れない、内容の深い一日、考えさせられることの多い一日であった、日新日々新である。何時にも増して長文になってしまった。読みにくいところはご勘弁、やがて上げられるであろう北の信者さんのブログでご理解を深めて下さい。お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。  わたしなりに色々学ぶところが沢山ありました。



最後に三ツ石で戴いたお料理の数々を紹介する。




だっさい、という銘酒

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知ったか
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釣りたて刺身
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〆鯖

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金目鯛ウロコ焼き

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牛ステーキの良いところ(山わさびで)
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出汁疋和スープ
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和スープリゾット

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by hal4550 | 2015-07-08 06:00 | PCオーディオ