HAL4550

デッカ・デコラと住む




エメラルド・グリーン(2014/8/27記)

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デコラが配達された。外装は申し分ないエメラルド・グリーンで艶消しの木目模様、少し蜜蝋で磨いたほうが良さそうである。


ざっと見てまずいところが二三有るので気長に直して行こうと思う。あつらえた欅のデコラ台がぴったり似合っている。音は英国デコラの方が僅かだが良いようである。外観から受ける印象は丸で違うが間違いなくオリジナルのデッカ・デコラである。両方ともガラード301仕様の後期デコラである。


二台で補完すれば完璧なデッカ・デコラになるのだが、完璧なものを残してあとは飾り棚にしようか、さてどうしたものか。今日から九月、September songでも聴こう。



デッカ・デコラのある風景(2014/8/30記)


一年ほど前に英国から輸入されたまま、手が入っていないデッカ・デコラを倉庫まで取りに行った。アンプはバラバラでプレイヤーはガラード301の上等が取り付けられていた。先ずは電圧を240Vから100Vに変更してプリアンプを修理してガラードのキャプスタンを60HZに変更して等など手を入れた。置く場所がなく本棚の前で飾り棚としての役目しか果たして居なかったのは言い過ぎだが、たまに食事のときCDやFMを聴く為の装置と割り切っていた。今度修理が必要なデッカ・デコラがもう一台家に来る事になったが設置場所がない。このデコラは或るオーディオマニアの遺品で長らく放置されていたと聞いた。各所に手を入れる必要があるだろう、写真を見ただけなのだが木目と緑のグリルネットがとても美しい。予備パーツや真空管が無いと迂闊に手を出せない代物だけに予備機か部品取りにと気軽に応じたのだが果してどうなるやら。


迎い入れる為にデコラ台二代目を作った。本棚から移動するにしても250KGの巨体を扱うには仕掛けを必要とするし、狭い扉を通過するためにキャスター付きのデコラ台はぎりぎりまで細くしなければならないので最初のものも造り換えることにした。台からデコラを乗せ替える必要がある。先ずは冶具の作成から始めるが、ジャッキ代わりに工事現場の仮設に使われるベースを利用した。デコラ台を跨ぐ幅の板をブリッジにして、そして仮設の台車を作り乗せ替えるのである。これは予定通り旨く行った。ひとりで何でもやらなくてはならないから知恵を働かすしかない。デコラ台の縮小改造と新しいデコラ台の塗装を削り落とす作業、この作業がとても大変だった。

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塗装であるがオイルスティンは説明書を良く読むと、塗って五分後には布で拭取り満遍なく刷り込むのが基本と云うことらしい。前回は拭取らなかったから色むらが出てしまった、原因は下地の処理に起因するのだが拭取りで塗料を刷り込めば良いらしい。オイルスティンを塗って拭取り乾かして、また塗り拭取る作業を四回ほど三日間繰り返した。そして、透明のニスをスプレイして硬い皮膜を作る作業を3回繰り返して完成、思ったことに近い線で出来上がった。これは新しいデコラの色に合わせて明るめの欅色に仕上げた。古い方は渋いオーク色であるがこちらはオイルスティンではなく着色ニスで塗装した、着色ニスは塗るのが難しく思い付きで刷毛目を生かした模様にした、狙い通りに仕上がった。仮設の台車からデコラ台に移し、オーディオルームに運び入れた。サイズはぴったりで扉もレコード棚の隙間もクリアして運び入れることに成功した。

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音出しをして見ると本棚の場所とは随分違い、やはりオーディオルームの方が好いようである。ピントが甘いので裏蓋を螺子止めしたらシャープにフォーカスした。更にカートリッヂをⅡからⅢやⅠに取替え、針圧を4.5gに調整するとしっかりとした楽器に変身した。それまでLPは古臭い音でFMやCDの方が聴き易かったが今はLPが最高に良い、フルニエのバッハの無伴奏チェロソナタは素晴らしい。180gの最新リマスタリングであるが無伴奏の素晴らしさが心を鷲掴みにして放さない。何故今まで本気で聴こうとしなかったのか不思議だ。このデッカ・デコラを女房は随分気に入って彼女が好きなポップスやジャズを聴くために扱い易いこの装置をプレゼントした。そして今は女房の写真楯の台に成っていたがいよいよ本領を発揮するときが来た。

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新しいデコラのために有孔ボードで裏蓋を作った、勿論シナベニアである。デッカ・デコラはとても扱い易く聴きたい時に電源を入れて直に聴ける。HAL4550やDD66000、パラゴンのように聴くために予め準備したり、まじないは不要である、簡単に素敵な音楽が聴けるところが素晴らしい。仕事をしながらでも気軽に聴ける電蓄のようなものである、これ一台あればよいのだから呪術的にケーブルを変えたり云々しなくて良いところは本当に素晴らしい、音楽を聴くために本当にあんな仰々しい装置が必要なのか原点回帰も良いかも知れない。仰々しい装置も楽しいのだけれども音楽を聴くだけであれば無用の長物であることを知ってしまった。

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EMI DLS529のこと


BEATLESで一躍有名になったアビーロードスタジオ、此処で使われているモニタースピーカがDLS509である。楕円ウーファ92390とツィータ99110Bが二個使われている。そのスピーカを買った、しかし一回も聴かず分解した。デッカ・デコラの部品を取るためだ。DLS509初期型アルニコモデルは結構高い値段で取引されているが、わたしにとってそんなことは如何でも良い話しであった。

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ウーファの92390はデッカ・デコラと全く同じものである、ツィータについては同じ型番であるが若干の違いがある、DLS509の99110Bは密閉型つまり後面のフレームが密閉であるがデッカ・デコラの99110Bはフレームに小さな穴が開けてある。何はともあれ補修部品四個が入手出来た。音質の変化は試聴では分らない、そんなもんだろう。最初に買ったデッカ・デコラのウーファは右が92390アルニコ左が92390フェライトであった。交換の痕跡が無かったので工場出荷時からそのように組み上がっていたのだろう、これを交換した。オリジナルパーツであれば英国人でさえも気にしないのだろう。かくして目出度く二組のデッカ・デコラはオリジナルに組み上がった。精神的な満足だけだが日本人にとっては大切な事だろう、かく云うわたしも舶来オリジナル・コンプレックスだろう。

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こちらが92390楕円ウーファ・フェライトマグネット
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交換した99110Bツィータ
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もう少しましな場所を探してやりたいが、この場所から離れたがらないので困っている
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今はこの二台を交代交代でFM、LP、CDでクラシックとジャズを楽しんでいる。特にDECCAレコードの再生はこれ以外は考えられない思っている、ジャズも旨くなるが電気を入れてぽんと鳴るのが嬉しい。











by hal4550 | 2015-06-18 01:00 | デッカ・デコラ