HAL4550

CG25D

SPUは邦盤に良く合うが、クラシックには良いとは云えないのが昨日までの結果であった。

考えてみるとオルトフォンはEMTほど低域から高域まで帯域は広くないし空間再現も優れているとは云い難い。魅力は中域の力強さとしなやかさにあるように思う。リジッドなターンテーブルよりむしろ緩めのトーレンス124やガラード301、Linnが能力を発揮できそうなことは重々承知であるが、いまさらこれ等を持ち込む気はない。

わたしがSPUを使う意味を考えてみた。遍く巷のSPUファンは、その音色と雰囲気に惚れ込んでいると想像する。JAZZのひとは分らないが。

CG25DをRigid Floatに取付けてモノラルのレコードを何枚か聴いてみた、ピッタリくるのはディスカウの歌う冬の旅ALPS1298/9の初期盤であった。シューベルトの弦楽五重奏などより、ジェラルド・ムーア/ピアノとディスカウの歌う冬の旅は、しなやかさと力強さが自在に鏤められる。
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もしやと思い、SPU-GEでピアノ伴奏のリートをかけてみた、案の定素晴らしい。SPUは邦盤に合うのでなく、音域の集中する声やピアノで良さが発揮できるようだ。それならオペラにも合いそうだと試してみたが、こちらはEMT系に分がありそうだ。雰囲気はSPUの方が大いに有るのだが、やはり細かいニュアンスは如何ともし難い。
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ムーアの弾く打鍵の跳ね返りのフェルトの余韻の消え方がEMTでは味わえない魅力で演奏に憂いの感じが良く表現される。冬の旅を、このように聴くとベーゼンドルファの方がしっとりと憂いが聴こえる。そうするとデムス伴奏の冬の旅を聴いて見たくなり、レコードを棚より探し出しターンテーブルに乗せてかけてみた。

次にALPのベートーベンの歌曲集ディスカウ/ヘルタークルスト伴奏、このレコードも好きで昔から良く聴いているが、ピアノの音色は冬の旅のムーアの方が何倍も良い、憂いの有るディスカウの歌声は甲乙付け難いのだが。

更にパイプに付けられたレゾナンス輪を移動すると面白いように音色が変る、アームの共振点を見つけるのは根気の要る作業だろう。
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先日送られてきたCG25Dは初期型で針とダンパーを慎重に選び交換されたもので、鳴きの少ない薄型のSPUシェルに取付けられた逸品である。オーディオニクス取扱のCG25Dにも興味がそそられるが、どうしたものか。
by hal4550 | 2012-05-13 11:10 | EMT